長編小説 バナナキラーの企み

土日は4000〜5000字ほど 平日は暇な日に1000〜2000字ほど 週3程度で投稿予定。 大体70話程度の構想。

バナナキラーの企み #4 パンタイン、覚醒

おりおりドンキー、パンタインはもう両者ズタボロだ。

パンタイン「さっさとやられろお!」

おりおりドンキーの方に深々と突き刺さる。

おりドン「お前こそぉ!!」

おりおりドンキーも同じところを突き刺す。

両者瀕死だが、パンタインが若干優勢にも見える。

 

パンタイン(このままやり合っても俺が死ぬだけだ…)

そこで、パンタインに悪魔の閃きが起きる。

パンタイン「お前はそこにいろ!」

パンタインは武器をおりドンの足元に投げ捨てる。

おりドン「なに?!」

ぐさぁ!!

カウンターのしあいだった戦況で、武器を投げ捨てる攻撃をするとはとても思わなかった。

おりドンの足を貫通し地面に突き刺さった。さらに!

パンタイン「おりゃあああそこにいろおおおおお!」

パンタインはさらにその武器ごと足を踏みつけ、おりドンの足を完全に固定した。

そしてパンタインはその場を離れる。

向かった先は…佐藤。そしてカンクン

パンタイン「へっへっへ…私は今、ぶきおりの力を受け継いでいるんだ…」

おりおり「な、何をするつもりだ?」

パンタイン「じゃあな!でっかい鉄塊!」

そう言いながら、佐藤の電気自動車を折りたたんでいく!

次の瞬間。パンタインの手元に握られていたのはチェーンソーだった。

パンタイン「あぁ、チェーンの部分が壊れてる。何か金属…金属」

パンタインは金属を探し求め周りを見渡す。

一方おりおり。

おりおり(やばい…流石にあれを食らったら死ぬ…!なんとかこのロングナイフを外さないと!」

だがおりおりは血を流しすぎていた。目の前が真っ白だ。

 

しかしそんな中、おりおりは最悪の光景を目にする。

パンタインが金属を見つけていたのだ。

さらに!その金属は…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カンクンだった。

 

パンタイン「へへへ。これで私のチェーンソーが完成する!!」

おりおり「やばい!カンクンが折られる!」

ぶきおりのデメリットは、折った素材が二度と戻らないことだ。

電気自動車は最悪新調できるからよかったが、カンクンはかけがえのない世界に一つの者だ。

おりおり「やばい!おるるるるっっっっっっらららららららああああああくぁあ!!」

 

おりおりは、気合いで足を上げる。

おりおりは抜け出すことができた。

だが足は完全に切り裂かれていた。

だがそのまま走り出す。

友を救うため。

 

おりおり「カンクン、死ぬなああああああああ!!!」

 

 

 

 

しかし。

無情なことに、武器おりは完遂された。

 

ヴェイいいいいイン!!!!!!!!!!

 

やられた。

カンクンの最後の表情が脳を何度もよぎる。

助けを求めていた。あの顔を。

助けられなかった。

 

許せない。

 

絶対に許せない。

 

絶対に許してはいけない!!!

 

おりおり「パンタイン!今日がお前の命日だああああ!!!」

パンタイン「そんなことはない!私はバナナ丘を壊し、ロオコポ軍に凱旋する!」

2人の猛者がぶつかり合う。

 

パンタイン「ジョリジョリジョリ!ジョリジョリジョリ!」

おりおり「させるかぁっ!」

パンタインのチェーンソーは1発でも掠ったら終わりだ。

避けることに集中し、隙を見つける!

おりおりの体力ももう限界だ。

そんな中、やっとチャンスを見つけた。

パンタインが大振りした時にオーバーヒートでチェーンソーの動きが止まる!

おりおり「よっしゃあああああ」

これが最後のチャンスだ!

 

おりおりはナイフをパンタインの心臓付近の傷口に押し込む。

 

だが、それすらも無駄だった。

パンタインは、チェーンソーから片手を離し、その弱々しい突きを払った。

パンタイン「そんな攻撃、私には効きませんねぇ!!」

おりおり「くそ!」

しかし!!

おりおりにも一つだけ。もう一つだけチャンスがあった。

 

キックバック現象」を生かした反撃だ。

キックバックとは、チェーンソーが高速回転している間にガイドバーの上側が切断物に触れ、ガイドバーが瞬間的に跳ね上がる現象のこと。

 

ガイドバーの上側に当たるようにおりおりの腕を当て、その跳ね上がりでパンタインを攻撃する!

 

 

もう、そんな選択肢しか残されていなかった。

おりおりの左手は、腱が切れていて動かなくなっている。

右手を犠牲にするしかない。

おりおり「おおおおおおおおおおおお!!!パンタイン!切ってみろおおお!」

パンタイン「お…!な、なんだ?! お望み通り切ってやるうううう!」

パンタインがおりおりに向かってチェーンソーを振り下ろす。

おりおりは避けなかった。

パンタイン(これは勝てる!)

パンタイン「もらったあああああああ!」

おりおり(ここのタイミング、この角度だ!)

完全に勘。少しでもずれたら死ぬのはおりおりだ。(どちらにせよ出血量的にやばいが。)

 

だが、運はおりおりに味方した!

 

おりおり「俺のステータスはよぉ!勘は最低でも運はそこそこあるんだよぉおっ!」

ばぁいいいいいいいんゔぁあああ!

パンタイン「グハァぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっっっ!!」

 

そのキックバックは、パンタインに上手く命中した。

さらに、おりおりの腕に被害は少なく、2/3は無事だ。まだ動ける。

近くには、佐藤とゴリドウが倒れていた。

 

さらに鼻あたりに切れ込みが入って、完全に死にかけたパンタインとその横にはチェーンソー。

パンタイン「ぐ、ぐぁ…」

まだ息はあるようだ。

おりおり「どうせ…お前生きられないだろ…そこで…死んでろ…」

おりおり「カンクン…助けられなくて…すまない…」

置いていくしかない。

 

おりおりはボロボロのまま佐藤とゴリドウを引きずりながらおりおり国際病院に向かう。

おりおり「グハァ…おりおりドクター…こりゃあ大変だな…」

 

まだ病院まで数キロある。

ギリギリ助かるか、助からないか。

輸血準備さえ済んでいればまだ可能性はあるかも知れない。

おりおり「少なくとも数ヶ月は入院だな…」

 

佐藤とゴリドウは倒れている。

そう言い放つおりおりの話を聞いていたものは、いなかった。

 

次回

 

死んだカンクン

 

死んだパンタイン。

 

死にかけ佐藤。

 

死にかけゴリドウ。

 

ズタボロおりおり。

 

バナナキラーの企み #5 壊滅

お楽しみに!

バナナキラーの企み#3 パンタインの本気

(エピソード1より)

数十年前のある日。ゴリドウは大切な人を失った。

彼の子供。

大切な、唯一無二の宝。

ロオコポ軍の襲撃に遭ったのだ。

ゴリドウは悔やみ、ロオコポ軍団に復讐を誓った。

「ロオコポ軍団だけは、絶対に。『殺す』」

 

 

 

 

 

 

 

ゴリドウと佐藤は、パンタインと向き合う。

前回、ロオコポ軍団に襲撃を仕掛けることにしたおりおり達。しかし、おりおりドンキーは焼夷弾の回収と巨大戦艦撃破のための覚醒による極限の疲労により前線を離脱。ゴリドウと佐藤でアジトに突入し、パンタインと出くわした。

 

ゴリドウが叫ぶ。

「貴様ァ!なぜ生きている!」

「決まっている。私が強いからだ。」

「ふざけるなよォッ!」

佐藤が叫ぶ。それを合図に2人は攻撃を仕掛ける。それと同じタイミングで、パンタインも2人に向かって突進する。

 

ゴリドウがパンタインの腹にパンチを入れようとする。しかし、それは利用されてしまった。互いのスピードと槍のリーチを生かし、ゴリドウの心臓めがけて槍を刺す。

攻撃を躱した佐藤は、パンタインにワイパーソードをものすごい勢いで押しつける。

 

 

 

倒れたのは、ゴリドウだけだった。

ワイパーソードは、半分に裂けていた。なんとパンタインは、攻撃の瞬間にソードを槍で裂いていたのだ。何という技術だろうか。

「はっはっは。極道なんか所詮時代遅れ。そんな古臭いゴリラにこの私がやられるわけない。」

ゴリドウは、槍が心臓に直撃するのを間一髪免れたものの、彼の心臓近くに刺さってしまった。

「グハァァッ!」

ゴリドウは血を吐く。

「なーにが最高戦力だ。ひと突きじゃないか。」

パンタインはゴリドウを倒した。と、思っていた。

次の瞬間、パンタインは衝撃的な光景を目にすることになる。

なんと、ゴリドウが立ち上がっていたのだ。

「いいねぇ。久しぶりに痺れる戦いになりそうだわぁ。」

血を吐きながらそう言い放つ。彼は片肺を貫通されているのだ。そして尋常ではない量の出血。誰がどう見ても、ゴリドウは死の寸前だ。

「何。お前みたいなボロくさいジジィごときが何をできる。」

「俺はよぉ。昔っから決めていたんだ。ロオコポ軍団を壊滅させると。お前なんかに グハァ! 負けてらんないんだよ」

「何度やっても同じィ!串刺しにしてくれるワァァアッ!」

パンタインがゴリドウに槍を向け、再び突進する。

しかしその瞬間、ゴリドウの雰囲気が変わった。ゴリドウは極度の集中状態に突入しているのだ。

今のゴリドウには、他の全てがスローモーションに見える。攻撃をギリギリまで引きつける。

そして、当たる直前。

「ここだァァァァァァァァッ!」

ゴリドウが槍を下から弾き飛ばす。

「うをぉッ!」パンタインは思わず悲鳴をあげる。その瞬間を、ゴリドウが見逃すわけない。

「兄ちゃん、戦闘中に隙を見せちゃぁだめだ。」

ゴリドウは振り終わりで隙だらけのパンタインの懐をあっという間に侵略する。

「オリャア!ゴリナッコー!こっちは舎弟のヤンウッキーを殺られてるんじゃああああ!」

しかし、その攻撃がパンタインを傷つけることはなかった。

「何度も言っているだろう。私に二度と同じ攻撃が通用すると思うな。」

ゴリドウのパンチは重い。その分、1発の隙がデカい。

全力で振っている分、途中で回避することはほぼ不可能である。

「そろそろ死ねやア!ゴリドウ!」

次の瞬間。ゴリドウの顔面に蹴りが入る。

先が尖った針のようなものついた鉄の靴。ゴリドウの攻撃を再び利用する。

ゴリドウの顔面をその物体が貫く。

「な、ゴリドウ?!」

佐藤が驚く。あの無双極道ゴリドウが、手も足も出ず殺害されたのだ。

なぜ殺害と分かったか?それはゴリドウの頭部のほぼ全体が吹き飛んでいたからである。

その棘は、直径10cmはあるだろうか。それが刺さった後、パンタインは足を振り抜く。

明らかに生きているとは思えない。

 

佐藤の愛車の上に、何かが落ちてきた。

ゴリドウの左腕だ。

佐藤は激高する。「おらあああああああああああああああ!」

巨大ロボ、アクセル全開でパンタインに突っ込んでいく。しかし。

 

 

ジィヤシン!!

 

大きな鉄の塊が切断されたような音がした。パンタインはこの一瞬のうちに、武器を日本刀に持ち替えていた。しかも二刀流だ。「変形ロボカー」の腕は完全に切断されていた。だが、それだけでは止まらない。そのままパンタインを挽く!

 

だが相手はあのロオコポ軍団最高戦力のパンタイン。そう上手くいくわけない。

また一瞬のうちに「変形ロボカー」の両足と佐藤の左腕を切断していた。

「クソッ!」

佐藤は急いで止血作業に移る。

しかし、パンタインは佐藤に迫る。

「あれあれぇ?これで終わりかなぁ?」

佐藤はもう抵抗できない。死を覚悟しつつ、パンタインを睨みつける。

高く掲げられたその「武器」が振り下ろされる。

 

 

グシャァ!

 

倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パンタインが。

後ろに立っていたのは。ダイヤモンドピッケルを振り下ろしたカンクンだった。

「佐藤、こっちに!」

パンタインの背中は、装甲を貫通して肉がかき回されていた。

「オリァア逃げるんじゃぁね"ぇ"よ"」

パンタインが佐藤の足を掴む。

「やめろ!」カンクンがパンタインに向かってダイヤモンドピッケルを再び振り下ろす。

しかし、パンタインは笑っている。

「ハハハ。君たちは本当に学ばないねぇ。私に二度と同じ攻撃が通用しないと言っているだろ"う"」そう言い終わると同時、日本刀を振り回す。

 

この一撃で、カンクンの両腕、佐藤の腹、ダイヤモンドピッケルの柄が切断された。

壊滅的な状況だ。

 

 

 

一方病室。

そこには疲れ果てたおりおりドンキーがいた。

「僕が行かないと。僕があいつを倒すんだ。」おりおりドンキーはパンタインを倒そうとする。しかし、医師がそれを許すはずがない。なぜなら、今おりおりドンキーが行っても無駄死にするだけというのは、誰が見ても一目瞭然だったからだ。

 

しかし、おりおりドンキーは短時間で、驚異的な回復を果たす。

腕の青ネクタイが発光する。

「やっぱり行ってくる。」

おりおりドンキーが病室から、半ば強引に抜け出す。

 

そして、敵の仮設前哨基地にたどり着く。

そこで、おりおりドンキーは衝撃的な光景を目にする。

バラバラになっている佐藤、カンクン、ゴリドウ、そして「変形ロボカー」。

「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

おりおりドンキーは、かつてないほどの苦しみを味わっている。

なんだ。この苦しみは。

『もう、おりおりドンキーしかいない。』

このような謎の声が彼の頭の中で、狂ったように、そして大量に流れる。

「きたな。何人で挑もうと私に勝てるわけがない。」

パンタインはいきなり日本刀を振り下ろす。おりおりドンキーは、その攻撃を間一髪避けたが、左腕をかすってしまった。そして。

ヒュルヒュル。ストン。

 

青ネクタイが切れ、床に落ちる。

ゴリブレの形見が。

そしてパンタインはそれを手に取り、力を吸収する。

パンタインの目が、赤く発光する。

パンタインが、吸収した青ネクタイの力で覚醒したのだ。

 

 

この瞬間。おりおりドンキーの中で何かが切れた。

許さない。

許せない。

よくもゴリブレを殺りやがって。

よくもゴリブレの形見を壊しやがって。

よくも佐藤を、ゴリドウを、そしてカンクンを殺りやがって。

よくも、よくも、よくもお"お"お"!

 

おりおりドンキーは、衝撃的なオーラを発生させる。

おりおりドンキー。これは覚醒ではない。

 

「暴走」。

 

怒りの感情を抑え切れず、野生本来の力を出し切る。

もちろん疲労することもない。

おりおりドンキーは、構える。両腕を前に出す形だ。

まさかこれで刀を受け止めるというのか。

答えは大正解。

 

次の瞬間。パンタインが電光石火の速度で日本刀を振り下ろしてくる。

おりおりは、それを素手で受け止めて見せた。

そしてその日本刀を、真っ二つにへし折る。

しかし、おりおりドンキーの両手の掌に、大きな切れ込みが入ってしまった。

だが、そんなことはお構いなし。おりおりドンキーが取り出した武器は生前、ゴリブレが使っていた短刀。

名刀「鹿苑」。

鹿苑を即座に構え、反撃する。

その一撃は、パンタインの顔面を掠めるが、捉えるまではいかなかった。

次の瞬間。パンタインが、道端に落ちている小さめの瓦礫を折って、ダブルナイフを作る。

まさか。あの時落とした「ぶきおり」の能力を持つ赤ネクタイ。その力を吸収されてしまった。

パンタインは、そのナイフを持ち、雷のような全撃をおりおりドンキーに叩き込む。

おりおりドンキーは避け切れないと判断し、中心を当てさせない事だけを意識した。

その一撃は、おりおりドンキーの左腕の上腕二頭筋腱を切り裂く。

(肘の内側を曲げて力を入れた状態で優しく触ってみて。そこにある固いやつ。)

この一撃で、おりおりドンキーの左腕はほとんど機能しなくなった。

おりおりドンキーは、覚悟を決めていた。

ゴリドウはもう絶対に助からないが、かろうじてまだ息はあるカンクンと、止血済みでもう少しは持ちそうな佐藤は伝説の「レジェンドバナナ」で作った薬を飲めば助かるかもしれない。

せめてこの2人を助けるため、差し違えてでもパンタインを撃破する。

おりおりドンキーは、この時既に「肉を切らせて骨を断つ」作戦しかないことを気づいていた。自分から攻撃をすれば、パンタインは避け方を覚えてしまうし、こちら側に隙ができてしまう。それは避けたかった。相手からの攻撃を受け流すかマシなところで受け、その隙に攻撃するしかない。

パンタインは、こちらに突進してくる。狙いはもちろん、心臓だ。

おりおりドンキーは攻撃を喰らう直前に、少し体を右にずらす。

「おらああああああ!」

グシャァ!

そのナイフは、おりおりドンキーの左脇腹に深々と突き刺さる。

だが。

「捕まえた」

パンタインは困惑する。ナイフが抜けない、おりおりドンキーは、力を込め、抜けようとするナイフを押さえていた。

大きな隙ができた。おりおりドンキーも、自分が刺された衝撃を利用し、全く同じ様に斬撃を入れる。

おりおりドンキーはパワーで言えばトップクラス。異常に固いパンタインの甲冑でも、フルパワーで刺せば貫通する。

「グハァ!」

パンタインも左脇腹に攻撃を喰らう。

「まだだ!」

今度は、おりおりドンキーの体を右下から左上に向かって切り裂く。

「うぉおお!」

だが、ここで諦めるわけにはいかない。

おりおりドンキーも、全く同じように切り裂く。

「ガハッ!」

パンタインは、体を切り裂かれ、血を吐く。

 

おりゃあああ!

パンタインが腹に突き立てたナイフ。

それも全く同じようにカウンターを仕掛ける。

 

両者ボロボロ、血まみれだ。

「ゼェ、ゼェ、これはヤバい。死ぬかもしれない。」

「ハァ、ハァ、まだまだだあ"あ"あ"あ"あ"!」

おりおりドンキーとパンタインが死闘を繰り広げる。

その時、パンタインがあることを思いつく。

 

 

続く。

 

次回予告

自分の仲間を、形見を傷つけられブチギレるおりおりドンキー。

それに対して、驚異的なひらめきをするパンタイン。

ピンチにさらされる、「The legendary banana hill」(伝説のバナナ丘)。

そして、死にかけの仲間たち。

 

カンクン、死ぬなァァァァァァァァ!」

 

次回

 

メインストーリー#4       おりおりbeast(ビースト)

サブストーリー#1       ゴリドウ、復活

 

バナナキラーの企み#2 おりおり、悲しみの果てにて

 

(前回よりちょっと短いかな?五分の四くらいの長さ。)

 

 

 

おりおりは暗い空間の中に閉じこもっている。

自ら外界との接触を遮断しているのだ。

そうなってしまうのも当然だろう。

ゴリブレは自らの恩師であり先輩でもあり、何よりバナナキラー撃破の「アップジョイント作戦」にて

協力し合った人物である。アップジョイント作戦完了後にゴリブレととある約束もしていた。

その人物を失ってしまったのだ。おりおりは深い悲しみの中にいた。

 

しかし、行かなければならない。ゴリブレの仇を討つのだ。パンタインは爆発に巻き込まれ死亡したが、他のロオコポ軍幹部や兵士が生きている。そいつらを全て殲滅せねばならない。

深い悲しみに閉じこもるおりおりの、唯一の目標である。

絶対にあいつらだけは許さない。そう決めたんだ。

おりおりドンキーは立ち上がる。そして作戦部に戻る。

 

しかし本部の97%が爆発で蒸発したのだ。元あった作戦部はもう、無い。

残りの3%。それは...

 

 

 

 

 

そう、おりおり電気自動車。

本部直轄の電気自動車制作会社で、おりおり達戦闘員の武器作りや、武器、拠点の修理も請け負っていた。おりおり電気自動車の本社も爆発で蒸発してしまったが、幸い遠くに位置しているおりおり電気自動車カワムキタウン支部は助かった。それが3%だ。(一応本部所属である。)

おりおりドンキー達残された職員や戦闘員は、おりおり電気自動車に集まって作戦を立てる。

その時、おりおりドンキーは懐かしい声を聞いた。

「よう、おりおりじゃぁねぇか」

おりおりの先輩で幼馴染でもある、佐藤電気自動車電気自動車だ。

(佐藤電気自動車電気自動車)※会社勤務中はちゃんとした服装です


「さ、佐藤!」

「おう!」佐藤はいつも本部で働いているので、爆発に巻き込まれて死んでしまったと思い込んでいた。だが生きていた。おりおりは嬉しかった。だがゴリブレを失っている以上、素直に喜ぶことは出来なかった。

「今日から俺も戦闘員兼 武器開発職員兼 電気自動車会社副社長 として戦闘に参加することになった。よろしく。」

なんということだろう。新しい仲間が増えた。佐藤が魔改造している赤色のレーシングカーは、佐藤の天才的な操縦と合わさることにより脅威的な動きをする。これで敵を一網打尽できるに違いない。

「ありがとう。」ゴリブレが死んで3週間。おりおりは初めて笑った。

ゴリブレがいなくなった分の心の穴は埋められないが、佐藤と一緒なら、また前を向ける。そんな気がした。

 

「さあ、新しい仲間が増えたことですし、早速作戦会議を進めましょう!」

 

 

さて、ここで立案された作戦の内容を公開することとしよう。

内容は簡単。カワムキタウンに急設された仮設前哨基地にみんなで突っ込んで壊滅させ、資材を強奪する。なぜ資材を強奪する必要があるのか。なぜなれ本部は蒸発していて、武器だけではなく、それを作る資材すらないからだ。

そして作戦の決行日は、明日だ。

今ある武器は、佐藤のレーシングカー初号機、おりおりドンキーのダブルナイフ、カンクンのダイヤピッケル。そして武器と言えるかは分からないが、車の整備用の道具であるスパナやドリルだけだ。

おりおりドンキー達が使っている文房具武器は消えてしまった。そして、おりおりドンキーがいつも身につけていた紅蓮のネクタイもだ。脱出時に落としてきてしまったのだ。あれがなければ、ブキオリなどの力を発揮することができない。

しかしおりおりドンキーはいま、ゴリブレの形見である青のネクタイを左腕に巻き付けている。

ゴリブレの遺品を整理している時、ゴリブレが生前大事にしていた青いネクタイを発見する。

おりおりはそれを手に取る。その瞬間、何かがおりおりの体を温かく包み込む感覚がした。周りの人もその気配を感じ取った。きっとそのネクタイには、ゴリブレがおりおり達を思う気持ちが沢山詰まっていたのだろう。代表しおりおりがつけることになった。

おりおりも、これをつけていればゴリブレが自分を守ってくれる感じがした。

おりおりドンキーは左腕に巻き付けているそれに手を当てる。

そして手を離す。その時の顔は、ゴリブレの仇を討とうと堅く決意している顔だった。

 

 

その日の夜-作戦決行前夜、おりおりドンキー達は環境破壊監視本部の外泊施設だったカワムキタウン別荘棟に泊まっていた。

おりおりドンキー達はカンクンの部屋に集まっていた。

武器はほとんど何もないのだ。きっと多大な犠牲を払うことになるだろう。それはみんな理解していた。元から武器を使わず無双するのは、ゴリドウだけなのだ。

明日は自分が死ぬかもしれない、誰もがそう思い、死を覚悟していた。だが、誰一人と泣いたりする人はいなかった。ゴリブレは自分達を逃すため顔色ひとつ変えず死を覚悟したのだ。こんなことで泣いてはいられない。しばらくすると、その集会は解散された。おりおりドンキーは自分の部屋に戻り、電気を消した。月明かりが窓から差し込んでくる。その灯りは、今は亡き懐かしい人物の写真が入った額縁を照らしていた。

「ゴリブレさん...」

おりおりドンキーは思わず呟く。

彼は絶対なる復讐を心から決意し、眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

朝-作戦決行当日。

おりおりドンキー達はおりおり電気自動車前で集まっている。

みんな、ロオコポ軍への恨みを口にしたりお互いに(良い意味で)挑発し、士気を高めている。

もちろんおりおりドンキーもカンクンと作戦の最終確認をして待機している。

「決行の時まで、あと2時間。ロオコポ軍にコチラの動きが読まれてなければいいウホけど...」

「そうだね...」

おりおりドンキーは、カンクンと話をしつつ自分の唯一の武器、ダブルナイフを研いでいる。(2挺で1セットなので、ここでは唯一と記した。2本バラバラになってるタイプのやつ。)

カンクンもダイヤモンドピッケルの素振りをして直前まで備えている。

おりおりドンキーのダブルナイフは、前覚醒した時に「ぶきおり」で作り出した最高傑作の武器だ。しかしおりおりドンキーは、まだこの武器を使いこなせていない。おりおりドンキーは、正直不安だった。しかし、そのたび腕のネクタイが励ましてくれているような感覚を受け取った。やはりゴリブレの意志が込められているのだろう。

その時、上空から大量の謎の物体が降ってきた。

よく見ると、それは焼夷弾だった。(東京大空襲などでも使われたほど。かなりの高火力)

「まずい!焼夷弾が降ってきたぞ!おりおり電気自動車に引火したら一巻の終わりだぞ!」

職員のうち1人が叫び、大パニックが起こる。

その時、おりおりドンキーは心臓に違和感を感じた。

この感覚、前にも...そう、覚醒時だ。

ふと腕に目をやる。青いネクタイが神秘的なオーラで包まれている。

もしかして。おりおりドンキーは心の中で強く念じる。

(仲間を...拠点を...守るんだ!力を貸して!)

次の瞬間、おりおりドンキーの体から青いオーラが出て、目が赤く発光していた。

そして体が軽く、何より力が湧いてくる。

(ダブルナイフ覚醒おりおりドンキー)


「ありがとう。ゴリブレさん。」

おりおりドンキーは、覚醒を自分の意志で操れるようになった。もちろん青いネクタイの力だが。

おりおりドンキーは跳ね上がる。そのジャンプで、20m いや30mは飛んだだろうか。頭上を飛んでいたロオコポ軍巨大戦艦をたったの一撃で叩き落とす。下には大切な仲間達がいる。もちろん落とすわけにはいかない。おりおりドンキーはものすごい勢いで落下し、地面と衝突する。しかし無傷。それどころかおりおりドンキーの闘気はますます上がっている。

「うおおおおおおおおおおお!」

上から落ちてくる巨大戦艦に向けて再びジャンプ。ダブルナイフを使い、巨大戦艦のコア、エネルギー資源庫を貫通する。その瞬間、巨大戦艦は空中で大爆発をする。

おりおりドンキーは、瞬間移動にも見えるものすごいスピードで空中を移動し回り、落下中の焼夷弾や戦艦の瓦礫を回収する。

回収し終わったらそのゴミ達をすごいパワーで押しつぶす。

 

勝負はついた。圧倒的だった。覚醒おりおりが一方的に敵を撃破した。

おりおりドンキーは覚醒を解除し、地面に横たわる。一時的に体のリミッターを外し、筋肉の最高出力を叩きつける、それが覚醒。長くは持たず、解除後にはものすごい疲労が襲ってくる。おりおりドンキーは動けなくなってしまった。

佐藤は言う。「おりおりドンキー、よくやってくれた。あとは俺たちに任せておいてしっかり休んでろ。」

疲れすぎた。佐藤からの労いの言葉を受け安心したのか、おりおりドンキーはその場で寝てしまった。被害は、0だ。

 

「さあ、あいつらから大量の資材を強奪するぞ!」

「おー!」

 

「奪うぜ資材!あいつら死罪!そして稼ぐぜ私財!」

誰かが言った氷河期が来そうなギャグは、誰一人と反応する人はいなかった。

 

 

戦場となる奴等に基地についてからは一瞬だった。

佐藤の天才的な運転技術と魔改造された車。

(車の上に乗ったままどうやって運転しているのかは不明。

跳ね上がる車体。

急な方向転換。

爆発的な加速。

車体から噴き出す炎。

どれも相手からしてみれば恐怖そのものだろう。しかし本当の恐怖をまだ知らないだろう。

「へへ。俺の相棒の冷蔵庫冷蔵庫をもう一つの相棒、この車と合体させてみたんだぜ?」

冷蔵庫冷蔵庫は中サイズロボット。そのギミックを組み込んだ?と言うことは...!

佐藤がボタンを押す。

「ガシャガシャ! キューガン! プシュー」

次の瞬間、そこにあったのは赤い車の車体で構成されている、巨大ロボットだ。

変形ロボカー佐藤

 

「え?」

「あれぇ?」

敵兵達は、困惑していく。

こんなはずじゃなかったと言う顔だ。それでも諦めず攻撃しようと試みる者もいた。

しかし、それがロボカーを傷つけることはなかった。ロボカーが左手に持っているミラーシールド。これは受けた攻撃を全て反射する。そして反射した攻撃は、何倍もの威力に跳ね上がる。

「うわ!」その場にいた敵兵達は、反射したエネルギー弾に弾き飛ばされてしまった。

しかし、次の瞬間。予想だにしなかったことが起こる。

なんと、ミラーシールドが破壊されたのだ。ミラーシールドの弱点、それは横方向からの攻撃に対応できないことだ。

「へへへ。かかったな?」

横を振り向く佐藤とそのほかの戦闘員。そこには、爆風に巻き込まれて死んだはずのパンタインが銃を構えて立っていた。

その時ちょうど、おりおりドンキーの手当てを見届けたゴリラの極道、ゴリドウが到着する。

「おいおい!どうなってんじゃぁこれわぁ!」(あえてはをわと書いた)

ゴリドウは拳をかまえ、すぐさま戦闘体制に移行する。

 

続く

次回

 

パンタイン vs 佐藤&ゴリドウ

何度も死の淵まで追い詰めたが生きていたパンタイン。

両者本気のぶつかり合い。

決着は、どちらかの''死''のみ。

 

「おりゃあああ!そろそろ死ね!ゴリドウ!」

 

次回、パンタインの本気

 

 

 

バナナキラーの企み#1 「本部襲撃」

あるところに、おりおりドンキーという、1匹のゴリラがいた。

そのゴリラは、「おりおり族」と言う種族に属している。

名前の通り、ドンキーコングが印刷されたプリントを折り畳んで、偶然誕生したキャラだ。

「おりドン」という異名が付いている。正確にはゴリラではない。

おりおり属は、おりドン含めてバナナが大好きである。だが近年、そのバナナを収穫するため

の畑を荒らす者が段々と増えてきた。その者どもを懲らしめるために設置されたのが、環境破

壊監視本部(またの名を環境破壊対策本部)と言われる組織だ。

そこに属しているのは、おりドンはもちろんのことおりドンの友達で空き缶のカンクンや、ゴ

リラの極道であるゴリドウなど様々な猛者が属している。

最近はこの組織のおかげか、バナナ畑が荒らされることは少なくなってきていて、おりおり国

は今日も平和である。

この物語は、そんなおりおり国で起こった壮絶な戦いの記録を短くまとめたものである。

平和な世界は、たった1回の襲撃で完全に変わってしまう。

(多分70話くらいで完結する)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピーピー!ブーブー!ピロピロピロピロ!

 

環破監本部に、複数の大きなブザーの音が鳴り響く。

「何者かの気配を感知!」

「襲撃箇所とのコンタクトを取ります!」

「周辺箇所の封鎖を行います!」

「バナナ畑カワムキタウン支部、何者かに襲撃されています!」

「なんだぁ!誰だぁ?」

「完全に不明です!監視カメラ全てが何者かに妨害されています!」

「チッ やられたかッ」

「おい!そこに戦闘職員はいるのか?」

「いません!ですが近くに、戦えそうな職員が2人います!

 

おりおりドンキーとカンクンです!」

 

「何?今すぐ2人に連絡を取れ!至急出動だ!」

「分かりました!」

「今回の襲撃は大規模な襲撃だ!念のため他の戦闘員も派遣しろ!」

「分かりました!」

 

 

 

 

 

その頃おりおりドンキー達は

「ん?あっちの方から叫び声が聞こえるウホ!」

「またキンニクツーさんが大暴れしてるんじゃないか?」

「どうだろう?なんだか胸騒ぎがするウホ」

プルルルルル

2人の無線通信機が同時に起動する。

え?何があったウホ?

 

 

 

「おりおりドンキーとカンクン!今すぐ ザー バナナ畑カワムキタウン支部に ザー 向かって!何者かの襲撃を受けているの! ザーザー あ!

 

ゴトン!(本部の通信装置が落ちる音)

 

   本部、襲撃 ザー ています! 爆弾が投下 ザー れ、半壊です! ザーザーザー

ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 

プープープー

 

「え?」

「今の電話、聞いたウホ?」

「聞いたよ!」

「まさかあの音は!」

おりおりドンキーは音がした方向、山ひとつ超えたカワムキタウンの方へ走って向かう。

「ちょっと〜!」

少し遅れてカンクンも走り出す。

 

 

その頃環破監本部は

ピーピーガーガー!ブーブー!プァプァプァプァ!

複数のブザーは、鳴り止むどころかさらにけたたましくなり続く。

時々爆破音のような音や、本部の一部が崩落するガガガガという音も聞こえる。

「主要電源が緊急停止!サブ電源に切り替えます!」

「だめだ!サブ電源も破壊が進んでる!」

「後は司令室地下にある非常用電源兼発電装置に繋ぐしかない!」

「非常用電源は少ししかない!メインシステムコンピューターの保持に使え!」

「分かりました!保持に回します!」

「電源が切れると司令室が地下8-5まで降下するぞ!体制を整えろ!」

ピピピピ!

ブザーは一段と強くなる。

「対ショック体制ー!!!」

司令室管理職員の内の一人がそう叫んだ次の瞬間!ガクン!という音と共に電気が切れ、光はメインシステムのうっすらとした赤い灯りのみになった。と同時に司令室がまるで糸が切れたかのように落下していく。

「もうだめだ〜!」

「まだ諦めるんじゃぁない!」

どおおおおおおおおおおおおん!

「みんな無事か?」

重症で、動けない人は何人もいたが、幸い死者は出なかった。

''この衝撃では''死者は出なかった、

「かかったな?」

敵軍の兵士が銃や槍、剣を構えて待っている。その奥に、緑ががった黄土色の装甲と甲冑を身につけ、長い槍と剣が合体したような武器を持つ周りよりひときわ強そうな兵士がいる。どうやらロオコポ軍の兵士達と武闘派幹部のパンタインと思われる。大体300人はいるだろうか。

これには長年、本部ができる前の前身的組織、環境保護部隊のリーダーを務めてきた現トップのゴリブレインも驚きを隠せない。

ゴリブレインは言う。

「戦闘員、非戦闘員関わらず敵軍への無条件発砲を許可する! 総員俺の後ろに隠れろ!」

「でもゴリブレさん!そんなことしたら!」

「なぁに、俺も戦闘員元最高戦力。銃弾の数発なんて余裕さ」

早速ゴリブレインは数発の弾丸を喰らう。

「ゴリブレさん!」

「全くノーダメージ、まだまだいけるぞ」

そう言うゴリブレだが、苦しそうな表情を浮かべている。

最高峰の戦闘と最高峰の頭脳を持ち合わせるゴリブレイン。それを生かして司令室で最善の判断を下し続けてきたゴリブレ。しかし、今回ばかりは管理職員の言うことが正しい。ゴリブレが死ねば、環境破壊監視グループ全体の弱体化につながる。判断、戦闘力の大きな低下、本部陥没に加え、流れに乗った周辺にいる複数の中小規模武闘派荒らし組織も攻撃に参加することになる。

 

ぱん!ぱんぱん!

ゴリブレはさらに複数の鉛玉を腹に打ち込まれていく。鉛玉が肉を裂き、骨を砕くのだ。

その瞬間!「お前ら、俺が合図したらみんな一斉にこの部屋の隅に移動してそこにあるスイッチを押せ。」そういったゴリブレは、何かを固く決意したような表情を浮かべている。

管理職員達は、皆反対する。しかしゴリブレは

「これは命令じゃあ!はようせんか!」

「ゴリブレさん!」職員のうちの一人がそう言うと、皆んなで駆けていく。歩けないものを背負って歩く者もいる。

「行かせねぇよ!」敵軍戦闘員は逃げていくゴリブレ以外の職員たちに発砲する。

しかしその瞬間、間にゴリブレが入り込む。「ごはぁ!」

ゴリブレは血を吐いた。誰がみても、もう彼の命は消えかかっている。

職員達は皆涙を流している。自分達の命を守るために、自分の身を犠牲にしようとしている事はわかっていた。彼の口癖を思い出す。「ワシはのような老いぼれが生き残るくらいだったらみんなを守って代わりに死んだ方がいいな」非常事態対策訓練をするたび、そういっていた。

悲しみを堪えつつ、職員のうちの一人がボタンを押す。

「緊急脱出装置、起動します。」「自動自爆装置、カウントダウン開始、残り10分。」

自爆装置が起動し、今までで聞いた事ないようなとても大きい音が鳴る。

職員達のいる床が球体に包まれ、急速に飛んでいく。

残されたのは、ゴリブレとロオコポ軍兵士達だけだ。

「にげろ!自爆するぞ!」

敵兵が1人がそう叫び、一斉に逃げ出そうとする。

「お前ら、にがさ、ねぇ。おりおり達、いじめた罪、そしてバナナを、奪った罪、償わせる」

ゴリブレはそういい、パンチを繰り出す。敵兵はそれを避ける。

 

(ゴリラバグ大学などで取り扱っているストーリーの1年後のストーリー。内容は言わないが、パンタインを死ぬギリギリまで追い詰め、生き残っていた。今回は報復のためやってきたと推測される、)

「バァーカ!そんな遅い攻撃、あたらねぇよ!」

「狙いはそれじゃねぇよボケ」

脱出扉のハッチが破壊され、脱出が不可能になった。

自分を犠牲にして、300人以上の兵士とパンタインを一斉に滅ぼそうと思っているらしい。

 

「ゴリラ旋風!」ゴワゴワゴワゴワ!

自らの体を回転させ手を打ち付ける、ゴリブレ現役時代のメインウエポンだ。

次々と兵士が倒れていく。

しかしご老体の上、数十発の銃弾を受けている体のため、すぐに回転が緩んでしまった。

「えーい!スキアリィ!」

グシャグシャ!

「グぁぁぁぁ!」

敵兵が、回転の勢いを逆に利用し、一瞬にしてゴリブレの両腕を切断してしまった!

「うぉ!」切り落とされた腕につまずき、ゴリブレは転ぶ。

「お前の首を取りに来たんだよぉ〜w」

笑いながらそういった敵兵がなたを首に振り下ろす。

ゴリブレは、間一髪でそれを避ける。

そして一瞬のうちに立ち上がる。

「へへへ...もう俺も終わりか。ま、どっちにしても後10分の命だ。」

さっきも記したが、敵を逃がさないため内部ハッチとロックを破壊したため、外側しか開かなくなっている。そして外側は完全に包囲されている。

「アト1プンでジバクプログラムサドウシマス。」

お、もう1分か。頑張ったよ、俺。

ゴリブレの頭に、数々の記憶がよぎる。子供の頃の楽しかった記憶、社会人になって苦労した数々の記憶、先輩に戦闘員としての才能を見出してもらい活躍した日々。そして大切な仲間たち。

ゴリブレは倒れる。血を流しすぎた、

「あ、あ。おりおりドンキー、カン、クン。お前たちが、立派な幹部になって活躍するとこ、見届け、た、かった...」バタン

 

ゴリブレの頭に懐かしい声が響く。

『ゴリブレさん!』『ゴリブレ先輩!』

おりおりたちの声だ。ついに幻聴が聞こえてきた。

ゴリブレは、もう自分にお迎えが来たことを悟る。

急激に力が抜けていく。

「アト10ビョウデバクハツシマス。」

敵兵達は大混乱。

そしてゴリブレは、意識を失っていく。最後に聞こえたのは、おりおり達から呼びかけられる幻聴。

 

 

幻聴?

 

 

 

いや、これは本当に幻聴か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンドン!バーン!

 

何かの爆音が聞こえる。

その瞬間、扉が開く。おおおおお!ゴリブレさん!

おりおりドンキー!おりおりドンキーがやってきたのだ!

実はカワムキタウン支部の荒らしを片付けた後、支部まで戻ってきたのだ。

戦闘員全員が止める中、おりおりは一人勇敢に入り込んでいく。

「おおおお!」おりおりは敵兵を生きたまま折って、ジャンプ台を作り、ゴリブレと落とされた腕を担ぐ。

「ゴリブレさあああん!もう少し!もうすこしですからぁ!死なないでくださいいいい!」

泣きながらおりおりドンキーはジャンプし、一気に地上までいく。

「私も行かせろ」パンタインも後に続く。その瞬間!

「自爆作動」

 

ヒュッ

ぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!

 

本部が大きく爆発する。

外で待っていた戦闘員達や職員計1000人ほどが息を呑む。

もう終わった。友人のカンクンは地面に顔を擦り付けて大号泣している。

「おりおりいいいい!バナナキラーにとどめを刺した時、ずっと一緒に平和を守ろうっていってたじゃないかぁ!なんでぇ!なんでだよぉ!」

みんなも同じような気持ちでいっぱいだった。もうおりおりドンキーとゴリブレは助からない。そう思っていた。しかし、爆発でできた大きな雲の中から、影が見える。

おりおりだ。おりおりがゴリブレを担いで走ってくる。おりおりのほんの後ろには爆風と熱風の第2波が迫っていた。一瞬でも遅れていたら命は無かっただろう。

みんなは喜んで大歓迎した。しかし、おりおりが担いでいるその者、いや物を見た瞬間、その笑顔は消えた。なぜ物と表現したのか。

 

なぜならもう既に、ゴリブレは息を引き取っていた。

「ゴリブレさああああああああん!」

「うおおおおおおおゴリブレ先輩いいいいい!」

「そんなああああああああああ!」

「ロオコポ軍の野郎!絶対にゆるさないいいいいいい!」

みんな口々にゴリブレの死に対する悲しみとロオコポ軍への怒りを放っていく。

 

 

 

本部襲撃、そしてゴリブレが命を落としてから3週間が経った。

再結成したロオコポ軍に報復し、壊滅させるための準備を進めていた。

また、環境破壊監視本部が所属している「世界ゴリラ平和連合」の非常事態マニュアルに従い、一時的にゴリ連の指揮権を獲得し、組織名を「ゴリ連直轄対バナナキラー軍事部隊」に改めた。

続く。

 

次回予告

最高の頭脳を失ったおりおり達。

ロオコポ軍を壊滅させるため、今再び立ち上がる。

そして、作戦が決行される。

 

 

次回、バナナキラーの企み#2、「おりおり、悲しみの果てにて」

お楽しみに!